あの子の笑顔は、口元だけだった

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子育てがひと息ついて、幼稚園で短時間勤務を始めてから数年経った頃の事です。
ある日、小学校近くの道で「先生!」と声を掛けられました。
見ると、卒園児の男の子でした。

「わぁ!○○君。背が高くなったんだね~びっくりしたよ。」「だってもう5年生だもん。」
私は、声をかけてくれたお礼を伝え、小学校での様子を尋ねました。当然、「楽しいよ」と返ってくると思っていました。
ですが、「う~ん、まあまあかな」と言った後で「先生も元気でね」とまるで大人のような挨拶をして、行ってしまいました。

幼稚園の頃のこの子は、自分のペースでやりたがる、それはそれはやんちゃな子でした。職員の間でも、話題に事欠きませんでした。
発想がユニークで、自分で作ったブロックでごっこ遊びをしながら、顔いっぱいに無邪気に笑うのです。

(10歳にもなるとあんなに落ち着くのかぁ)と考えながら見送った直後、あ⁈と思いました。さっきの笑顔は、口元だけだったのです。
その笑顔が、学生の頃の自分と重なりました。

私は小学生の頃、まだ笑顔で過ごせる気持ちのゆとりがありました。
それが中学生、高校生となると、段々と笑えなくなっていきました。
「したい」事よりも「するべき」事が増えて、気持ちにゆとりが無くなっていったからです。でも、その当時は、そんな自分の気持ちに全く気付きませんでした。できない自分が悪い、としか考えていなかったのです。

親の期待に応えられない自分を責めていました。

「成績が良いから偉い」といった条件付きで自分を見ていた私は心の中で、自分にダメ出しばかり、友達と比較ばかりしていました。
それが自分をどんどん苦しめていったのに、です。まだまだ10代ですよ、そんな責任、必要なかったのにね。

あなたはどうですか?今、自分にダメ出し、していませんか?
もし今、気持ちが苦しいのなら…

背負わなくてもいい責任を感じているのかもしれませんね。自分が本当はどう感じているのか、自分に聞いてあげてくださいね。
そしてもし、私にも聞かせてもらえたら…
誰かに伝える事で、違う解釈を発見できるかもしれませんよ。

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